2013年12月26日木曜日

今日(ノエル)のワイン:Marie Courtin "Efflorescence" 2009, Domaine Thymiopoulos "Xinomavro nature" 2012, Sébastian Riffault "Raudonas" 2007

みなさま、ノエル(クリスマス)は楽しく過ごされたでしょうか。

ワイン屋はノエルの前週金曜午後まで忙しかったのですが、その後、なんとなく落ち着きました。多くのパリジャン達はヴァカンスに出てしまったようです。といっても、なんだかんだでイヴの午後7時くらいまではお客様がいらっしゃいました。

通常、お昼から夕方くらいまでお店は閉まっているのですが、イヴの日はノンストップで営業。なんとなく客足もひいて、外も暗くなってきて、そろそろ夜?と思いながら時計を見たらまだ午後5時。店主もびっくり。「今日は長いな〜」「よしっ、なんか飲むか?」という言葉を受け、「やっぱりシャンパーニュでしょ!ノエルだし」と当然のように言い放った私。はっはっはっ。普段飲まない・買わないシャンパーニュも、ひとのおごりなら飲むわよ。
というわけでマリー・クルタン(ドミニック・モロー)「エフロレサンス」2009年。
なかなか手に入らないシャンパーニュらしくて、店主がエージェントにずいぶん掛け合っていた品なので、飲んでみたい!と思っていたのでした。
1時間ほど冷やしておいて、店内も少し落ち着いた頃、常連さんが来たのを機に、みんなで乾杯。
すんごい泡だー、やっぱりコレ、シャンパーニュだあ…と見ていたのだけど、何の説明もなしにグラスを手渡した人に「何これ?シュナン(品種)?」と言われてしまった。店主が「たしかにこの苦みがシュナンっぽい」と言っていて、私もいざ飲んでみたら、あんまり典型的なシャンパーニュっぽくない感じでした。品種はピノ・ノワール100%。エクストラ・ブリュットなのでだいぶ辛口…のはずですが、なんだかそれほど酸味が際立ってもいない。ドザージュ・ゼロ(リキュール無添加)のブリュット・ナチュールに私が慣れてしまったからかな??でも、ドザージュで調整されたシャンパーニュにありがちなベタつく後口はなく、きれいに終わる。いや、というか、きれいに終わりすぎる?あんまり印象に残らない。
ふーん?と思っていたら、店主曰く、「これの格下キュヴェの方が美味しかったかも」とのこと。
また少しお客さんの流れがあったので、そのまま冷蔵庫に保存して、抜栓後1時間経ってまた飲んでみたら、だいぶ開いてきた感じでした。うーん、さっさと飲んじゃってもったいなかった?店主は「あと1年くらいしたらもっと美味しいだろう」「カラフしたら良いかも」と言っていました。って、デゴルジュマン(澱を抜く作業で、なるべく蔵から出すタイミングに合わせて行う)から時間が経つと泡が少なくなるというし、カラフしたらせっかくの泡が減るし…というシャンパーニュの常識無視な発想。だけど、私はそれで良いのだと思います。シャンパーニュもワインなんだもの。

さて、夜7時半を過ぎて外にも人影が少なくなってきたので、店主が自分用のワインを選び始め、あれやこれやと秘蔵カーヴからも出してきたりしている横で、「もうお客さん来ないなー」と呑気にシャンパーニュの続きを飲む私。
そろそろシャンパーニュもなくなったし、もう早めに閉店して帰ろうよ〜という私の気持ちと裏腹に、店主が「あっ、そうだ、これも試飲しとかなきゃ」と言って、更に一本持ってきました。
ドメーヌ・ティミオプロス「クシロマヴロ」2012年。
ギリシャのナウサのワインです。2011年からSO2無添加で造っており、「Nature」(ギリシャ語読みだと何て発音するんだろう?)と明記されています。
これが、ものっすごく香り高い!あんずや桃といった白い果実(普通なら白ワインに感じられるフレーバー)や、フローラルな味わい。タンニンが細かく、さらっとして口当たりがとっても軽く、アルコール度15%とは信じられない。多分まだ若いフレッシュさがあるので、もう少し経ったらまた違ってくるのかも。
店主と「どんな料理に合うか」という話で、私はドライフルーツを使ったタジンなどのモロッコ料理に合うかなと思いました。店主は「オリエンタルな料理ならバラを使ったものにもいいかも」という意見。また、私は最初、「こういう香りの強いワインは和食に合わないと思う」と言ったのですが、段々とワインが落ち着いてきた頃、「うーん、やっぱり焼き鳥にも合うかも」と前言撤回。料理の引き立て役的なワイン、料理に寄り添うようなワインではなく、料理と肩を並べて食事の一要素になるワイン、料理そのもののあり方を変えてしまうワインという感じがしました。
普段フランス以外のワインを飲む機会があまりないので、試飲させてもらって本当に良い経験になりました。

そんなこんなで帰宅が遅くなり、うちでのノエルご飯は25日の夜。
前日のギリシャ・ワインの残りをもらってきていたのですが、タンニンがもっと出て来て、フル・ボディなワインに変身していて、ちょっとびっくり。
しかし本命は、店主が自分用ワインを選んでいたときに秘蔵カーヴから出してきて「飲んでみな」と渡してくれた一本。
セバスチャン・リフォー「ロドナス」2007年。
ロワール地方、サンセールの赤。ピノ・ノワールです。
「セバスチャン・リフォーの赤って試飲会で見たことないなあ」と言ったら、店主が「赤はなかなか出さないかもね。生産量も少ないし」とのこと。もしかして、私、セバスチャン・リフォーの赤を飲んだの初めてかも?
開けたては少し酸がたって感じられたのが、段々と果実味が出てきた…と思ったら、今度はタンニンが出て来て多少苦みが感じられてきた…と思ったら、また果実味がぐーんと出てミネラリティと合わさって深みがでてきた…という風に、どんどん変わるワインで面白かった。二人で一本、食事をしながらだったので、抜栓からカラフに移して飲み終わるまで1時間半以上かかっていたかな。だんだんと底が上がってきたというか、飲み終わる頃にとても美味しくなっていて、生き生きとしたワイン。こういうのを5、6人で抜栓して一辺に飲んでしまうともったいないかも。やっぱりじっくり飲むのが好きです。

ワイン屋はノエルが終わって一息ついたところ。でもまだ新年パーティー用のシャンパーニュを買いに来る人がいっぱいいそう。最終コーナー曲がって、これからゴールまでの直線ダッシュ!

2013年12月23日月曜日

今日のワイン : Mito Inoue "Chicchi" 2011 & Patirick Desplats "VY" 2012

先週、去年の暮れに知り合った日本人のワイン生産者、ミトさんがパリに来ていて、お店で一緒にアペリティフをすることに。残りわずかのロゼワイン「チッチ」を持ってきてくれました!
ミネラルの感じられる辛口ロゼ。しっとり感のあるテクスチャーで、きれいなワイン。奥深そうで、寝かせておくと成長するのかも。もう在庫がほとんどないというのが悲しい。(あっても私には高くて買えないが…。)

その後、みんなで馴染みのビストロ、ケヴィンのお店へ。
メトロで移動し、グラン・ブルーバールの駅を出たところでサンタのバイク集団に遭遇。呆気にとられつつ見入っていたのですが、少なくとも150台くらいは目の前を通って行きました。キリがないのでビストロへ向かいましたが、その後もまだまだ続いていてスゴかった!いやあ、クリスマスですねえ。…って、何で写真を撮らなかったのかと悔やまれる…。バカ〜!

というわけで、何だかんだでケヴィンのビストロに遅刻で到着。「お腹すいた〜!」と、席に着くなりメニューに目が釘付け。ワインは、うちの店主と一緒だったので彼におまかせ。お店に置いてないやつってことで選んだのがコレ。
パトリック・デプラの「VY」2012年。
実はその前々週にもケヴィンのお店で同じ物を飲んで、美味しくて、「パトリック・デプラって誰だ?名前聞いたことあるような…」とぼんやり思いつつ、ちゃんと特定しようとしてなかったのですが、Domaine des Griottes(ドメーヌ・デ・グリオット)の片割れ、パットのことだった!そうだった!(ちなみにドメーヌ・デ・グリオットはババスとパットの二人でやっていましたが、2011年に解散しました。)
ロワール地方、アンジューで造られた、カベルネ・フラン100%のワイン。
私は個人的に、カベルネは青っぽさが出ると全然ダメなのですが、これは本当に果実味だけ。タンニンも細かくて、少なすぎず多すぎず。
前菜はみんなそれぞれ違うものを頼んだのですが、セヴィーチェ(南米の刺身サラダ)にもタイ風牛肉サラダにも、何にでも合わせられてビックリな「マジック・ワイン(by ミトさん)」!特に、山羊のチーズのトーストの、ちょっとこげた味のあるところに一番合ってたかな。
メインの頃には一本空いてしまって、「じゃあ次、何頼もうか?」ってことで、またうちの店主にチョイスをおまかせして、別の生産者で、同じくロワールのカベルネ・フランのワインを頼むことにしたのですが、ケヴィンが地下カーヴに探しに行ってくれている間に、「…ねえ、このまま同じので良くない?」と誰となく言い出し、「うん、そうだよねえ…」と、実はみんなひそかにそう思っていたことがわかり、ケヴィンが栓を抜く直前に「ちょっと待って!!」とストップをかけ、2本目も同じワインにすることに。ケヴィン、「モノマニアックめ!」と苦笑。ごめーん!
でも、本当に、それぞれ違うものを食べていて、それもお魚や豚肉・牛肉とバリエーションに富んだこのシチュエーションにパーフェクトなワインでした。

2013年12月1日日曜日

Salon des vignerons indépendants(小規模ワイン生産者展示会)

もう12月!時間が経つのは早いです…。
今年も試飲会シーズン真っ只中。

今日はパリで最大のワイン展示会、Salon des vignerons indépendants(小規模ワイン生産者展示会)に行ってきました。

この展示会、とても有名ですが、実は私は行くのが初めて。今まで、大き過ぎてまわりきれないのは当然として、どうしてもテイスティングしたいという生産者もいなかったので、興味がわきませんでした。ところが今回、お店にアルザスのビネールから展示会への招待状が届いていて、「参加してるんだ!?」と意外だった反面、ビネールに目的を絞って行くならいいかな?と思い、出向いてみました。

そんなわけで、特に気合いも入っておらず、会場に到着したのは日が暮れてから。
最寄り駅についたら、逆行でワインを抱えて帰途につく人々とすれ違いました。すごい人の流れにびっくり。いつも参加生産者が15人程度の試飲会ばかりなので、この人の多さは新鮮です。

中も広い!

入ってすぐ、ちょっと浮気して、クリスマスシーズンに店主が特別に注文するシャンパーニュ、ピエール・モンキュイをさくっと試飲。それから目指すビネールへ。
スタンドに着いたときは少し人がいて待つ状態でしたが、さすがに日曜の夜となると空いてきました。じっくり粘って(ヤな客だったかも)スタンドで売っているほぼすべてのキュヴェを試飲させてもらいました。

私のいた間に出入りしていった試飲客をみていると、アルザス特有のリースリングやゲヴュルツトラミネールといった品種のワインだけ選んで試飲する人が多かった。それと、それらの品種のヴァンダンジュ・ターディヴ(遅摘み)やセレクション・ド・グラン・ノーブル(貴腐ワイン)といった極甘口ワインも人気でした。

私としては個人的に蒸留酒、オー・ド・ヴィが面白かったです。
「リ・ドュ・ヴァン」といってワイン醸造過程でできる澱を蒸留して造ったものと、「マール・ド・ゲヴュルツトラミネール」といって遅摘みのゲヴュルツトラミネールを圧搾した後の果帽から造った蒸留酒は、ワイン醸造家ならではのオー・ド・ヴィ。前者は甘みがあり、後者は香り豊かながらも意外とやや辛口に感じました。
それと、さくらんぼ、フランボワーズ(ラズベリー)、柊の実のオー・ド・ヴィを試飲させてもらいました。さくらんぼはほどよい酸味があり、フランボワーズはほんのり甘い。それぞれ果実の味が感じられます。柊の実は少し薬草風味。

結局、大好きなオクセロワとピノ・ノワール、さくらんぼのオー・ド・ヴィの3本を購入。
うーん、ゲヴュルツとかリースリングとかセレクション・ド・グラン・ノーブルとか買ってる人ばかりの中で、私の選択ってかなり偏ってたな…と自分で思いました☆

ちなみに、もうこれだけ広いと何を見たらよいかわからないので、ビネールの試飲を終えた後は脇見せずにとっとと退散。本当に(ほぼ)ビネールだけで終わった巨大展示会でした。

2013年11月30日土曜日

今日のワイン : Jean-François Ganevat "Clos Champ Bernard" 2010

正直に言ってうちはリッチではないので、いつも価格帯が手頃なデイリーワイン買っていますが、「たまには贅沢しても良いかな〜」ということで、お店に寄ってくれた夫と棚を見回して選んだのがこれ。
ジャン=フランソワ・ガヌヴァの「クロ・シャン・ベルナール」2010年。
ガヌヴァはジュラ地方の自然派ワインでトップクラスの造り手として人気があります。ものすごい数のキュヴェがあるらしいですが、うちのお店に現在入っているのは全部で5つ。このキュヴェはサヴァニヤン種、土壌はシスト。
サヴァニヤンはジュラ特有の品種で、この地方独特のワイン、ヴァン・ジョーヌに使われます。(ヴァン・ジョーヌとは、樽熟成中に蒸発する分の継ぎ足しをせずに、ワインの表面に酵母によってできた膜で酸化を抑制しながら6年寝かせる、とても辛口で独特なワイン。)
私はこの品種はあまり飲んだことがなく、「すごく辛口」というイメージがありました。でも、このシャン・ベルナールは柔らかさもあって、柑橘系フルーツやフローラルな香りで複雑な味わい。それでいて雑味がなくて洗練されている。
抜栓直後は閉じた感じでしたが、残しておいた半分を二日後に飲んでみたら、石油っぽさが薄くなって、他のアロマが出てベターな状態でした。(この石油っぽさはシスト土壌からきているのかも?)

うーん、サヴァニヤン、奥が深そうだ。

やっぱり値段が高いのはそれなりに格が違うんだなあ、と実感したワインでした。(そうでない場合も多々あるのですが…。)

2013年11月28日木曜日

Beaujolais nouveau 2013 est arrivé!

11月の第3木曜日はボジョレ・ヌーヴォー解禁日でした。

お祭りで盛り上がるところは0時をまわったところから飲み始めますが、前日水曜の夜にたまたま行ったケヴィン店では、日付を過ぎて午前1時半まで居座っていたのに違うものばかり飲んでいました。カウンターにボジョレ・ヌーヴォーの瓶がのっていたのになあ?

結局、ちゃんと今年のボジョレ・ヌーヴォーを飲んだのは、木曜日の夜。お休みだったのですが、お店に顔を出してみたら、常連さんで賑わっていました。(私が到着した頃は、半分くらいの人が別のワインを飲んでいましたが…。)

今年、うちのお店には4種類のボジョレ・ヌーヴォーが入荷しました。

昨年と同じレミ・ドュフェートル、フランス・ゴンザルヴェス、そしてカリム・ヴィオネと今年が初ヴィンテージという「セレネ」(ドメーヌと生産者名未確認)。
手前がレミ・ドゥフェートル、
その隣が「セレネ」。
奥に見えるのは「プティ・ルキャン」と「ル・ピュイ」。
手前がフランス・ゴンザルヴェス、
奥がカリム・ヴィオネ。
実はカリム・ヴィオネは飲み損ないました…。到着するのが遅くて、試飲用の瓶は既に空になっていたので。
フランス・ゴンザルヴェスは、まるみがあってフルーティで、熟度が若干他のボジョレ・ヌーヴォーより高い感じ。何か食べながら飲むのにも良いかも。
反対に、「セレネ」はとっても軽くてさわやかな酸味。香りがとっても良い。アペリティフに気軽に飲むタイプ。
レミ・ドュフェートルは前二者の中間でしょうか。わりと酸味もありつつ、果実味も感じます。

昨年も書きましたが、フランス人の間では「ボジョレ・ヌーヴォーはまずいから飲まない」という人が多い。個人的な好き嫌いはあると思いますが、一年に一度のことだし、「初物」だから、一本くらい飲んでみるのも良いのでは。

その他に、南ローヌのドメーヌ・リショー、ルシヨン地方のドメーヌ・レオニン(ステファン・モラン)、ロワール地方のヴァン・コンテ(オリヴィエ・ルマソン)の新酒も入荷。
ヴァン・コンテは、いつもの「プチ・ルキャン」と「ル・ピュイ」が同時に到着。前者はガメイ種の赤、後者はソーヴィニヨンの白です。どちらもまだ飲んでいないのですが、評判が良く、特に白の方はリピーター多し。在庫がつきないうちに飲まねば!!

2013年11月10日日曜日

今日のワイン : Pechigo (Sylvain Saux) "La Mothe " 2006

10月の終わり、ハロウィンの時期ですが、フランスはToussaint(万聖節)のヴァカンスでした。店主が子供に合わせてヴァカンスをとったので、私もその後に休みをもらって、またまたブルターニュの田舎家に来ています。(夏のヴァカンスから帰ってきたばっかりな気がするが…?)

で、今日は、ストックの中からいつ買ったかも忘れてしまった白ワイン。

ペシゴ(シルヴァン・ソー)の「ラ・モット」、2006年(多分)。
裏ラベルを見てみると、どうもシャルドネとモザックらしい?
開けてすぐ注いでみたら、細かな泡が見えたので、ちょっとガス(二酸化炭素)がありそうだったことと、かなり揮発酸の香りがしたことで、少し待ってみた方がよさそうな感じがしました。
ちゃんと冷やしていなかったし、夕食の準備をする間、冷蔵庫へ入れて待つこと数十分。
やはり揮発酸はすごくあって、でもそれがややおとなしくなったら、まあまあ飲みやすい。
しばらく料理に追われつつ、時々グラスを傾け、「このリンゴっぽさがモザックなのかな?」なんて思いながら飲んでいたのですが…
腰を落ち着けて飲んでみると、結構甘い。(室温になっていたせいかもしれませんが。)この甘さがなんだかどっしりきて、あまりしっくりこない。むしろ若干ウザい感じ。

揮発酸(マニキュアの除光液とか、お酢っぽい感じ)は、全然ダメな人もいるでしょうが、多少なら個性を光らせる要素にもなると思います。なので、揮発酸を感じるワインは、人によっては受け入れられないかもしれないし、逆に面白がられるかもしれない。私は、どちらかというと、揮発酸のある白ワインに慣れているので、抵抗なく受け入れてしまう方。

でも、この甘さは…。

まるみのある白ワインは好きだけど、なんか重い。

いや、そんなには重くない。
でも、なんかウザい。

例えば、第一印象はなかなか感じが良くて面白くて、まあまあ友達としてやっていけるかも…と思いつつ、半日一緒にいたらウザくなるタイプ。

赤ワインが飲みたかった夫は、これは一杯しか飲んでないのですが、「すぐ胃にもたれて、疲れさせるワインだと感じた」とのこと。彼は最初から好きになれなかったようです。

こういうワインは、「良い」「悪い」と単純に断定するのではなくて、「好き」か「嫌い」か分かれるものなのだなあと思いました。

というか、ワインというのはそういうものなのでは…と、久々に考えさせられました。

人にそれぞれ個性があるように、ワインにもそれぞれの性格があって、一致・不一致があるのよね。

結局、一人でこのワインを飲み続けていますが、慣れてきた?というか、「まあ、つきあってみたら悪いヤツじゃないし…っていうか、結構いいヤツじゃん?」という感じ。

2013年10月31日木曜日

今日のワイン : Sébastien Riffault "Auksinis" (macération) 2010

サヴォワのジャン=イヴ・ペロンのところで、夜ご飯の食卓でブラインド・テイスティングしたときに、私はなんとなくハッとひらめいて(ちょっとカンニング的なヒントもあったのだけど)「セバスチャン・リフォー!」と言ってしまったのが、アレクサンドル・バンのピュイイ・フュメ「Pierre Précieuse(ピエール・プレシューズ)」2010年だったのですが、そんなことを思い出してなんだかセバスチャン・リフォーが飲みたくなってしまい、奮発して買ってみました。ブルターニュへ行ってしまって不在の夫には内緒w
セバスチャン・リフォー「オクシニス」2010年。

このキュヴェと「Skeveldra(スケヴェルドラ)」は古いヴィンテージしか出さない店主が2010年という比較的新しいのを棚に並べていたので「?」「今、美味しいのかな?」とちょっと疑問に思っていたのですが、品出ししていた時にこれが特別らしいことに気づきました。ラベルの角に「MACERATION(マセラシオン)」とプリントされているのです。
フランスの白ワインは、通常、ブドウをプレスして果汁を取り出してからワイン造りを始めますが、最近は、古いイタリア式を真似て、果皮と一緒漬け込んで(マセラシオン=マセレーション)造る人が増えています。これも、どうやらマセレーションしたものらしい。ジャン=イヴ・ペロンもマセレーションの白を作っていて、そのことも思い出しながら「マセレーションの白が飲みたいな」という気持ちもあったので、それと「セバスチャン・リフォーのワイン」という二つの要素でこれに決めました。

透かしてみると、澱がいっぱい。ワインの旨味がいっぱい入っていそうです。

抜栓して、ブショネではないかどうかの確認のためにコルクをかいでみると…!!すごーーーく良い香り!マーマレードみたいな、柑橘系の香り。注ぐ前にしばらくうっとりとコルクをかぎ続けてしまいましたw

グラスに注いでみると、ココナッツやマンゴーといった南国フルーツを思わせる香りがみっちり。柑橘系フルーツの香りもあります。
口に含むと、アルコール度の高いまるみとテクスチュアが濃い感じ、香りが豊かで、でも酸味がちゃんとワインを支えています。そして、SO2は添加していないなというダイレクトさ。

ジャン=イヴのうちでテイスティングしたとき、もしあれがこのワインだったら、逆に「アレクサンドル・バンの『ピュイイ・フュメ』2009年!」と言ってしまっていたかもしれないなあ〜…なんて思ってしまいました。まあ、だいぶ違うところがあるけどね、本当は。

(ちなみに、アレクサンドル・バンとセバスチャン・リフォーはロワール川を挟んでほぼ隣同士。距離にして5、6kmでしょうか?)

うーん、でも、アルコール度が高いせいか、疲れていたせいか、なんだか酔いがまわるのが早かった。それに、時間が経ったらまた変化しそうな気がしたので、半分以上を翌日に残して冷蔵庫へ。

翌日は、酸化して色がだいぶ濃くなっていて、ちょっとびっくり。

前日よりももっとソーヴィニヨンらしい香りが感じられて、でも、私の好きではない「猫のオシッコ系」はほんの少しだけ。むしろ、アレクサンドル・バンのソーヴィニヨンと同じような空豆みたいな香り。それに酸化の香りが加わって、前日の派手なフルーツ系とはだいぶ違います。
味わいも、酸化の要素が加わって、またちょっと違いました。でもやっぱりアルコール度の高さが感じられます。酔っぱらってしまう〜。

今度はミネラリティのある「スケヴェルドラ」(本当はどちらかというとそっちの方が好き)が飲みたいな。

2013年10月30日水曜日

サヴォワでブドウ収穫

6月の試飲会でサヴォワのワイン生産者、ジャン=イヴ・ペロンに会った時に、「ブドウの収穫の手伝いをしたい」という話をちらっとしていたので、夏のヴァカンスから戻って連絡してみたら快くOKしてくれ、収穫時期のまっただ中に訪問してきました。10月16日から21日まで、全部で6日間の滞在でした。

ワインの仕事に関わる以前から、ブドウ摘みに参加してみたいと思っていたのですが、実はこれが初めての体験です。

パリからアヌシー行きTGVに乗り、3時間40分かけてサヴォワ地方へ。


サヴォワ地方のワインはマイナーで、全体生産量も少なく、大部分は地元民やスキー客など、その地域で消費されるようです。たしかに、あまり有名ではなくて、うちのお店でサヴォワのワインが欲しいと言われるのは、ラクレット(チーズを加熱してトロトロに溶かし、茹でジャガイモにかけ、ハムや乾燥ソーセージと一緒に食べる、サヴォワ地方の料理)に合わせたいからという時ぐらいで、あまり聞かれることもありません。
品種も、他の地域では見られないローカル種が主で、例えば赤ならモンドゥーズ、白ならジャケール、アルテスといった品種があります。その他、ピノ・ノワール、ガメイ、ルッサンヌ(地元名はベルジュロン)といった比較的一般に知られている品種も栽培されています。

初めての収穫で、何故そんなマイナー地域に行ったのか?…後から考えると自分でもちょっと不思議な感じがしないでもないのですが、地方やアペラシオン(原産地統制呼称)云々よりも、美味しいワインを造る生産者、自分の好きなワインを造る生産者のところに行ってみたかったのです。

収穫に行ったことのある友人には「背中が痛くなった」「ハサミで指を切って血が吹き出た」などという話を聞いていたので、多少不安を抱きながらの参加。

到着当日は、醸造所で前週に収穫したモンドゥーズをロゼ(「ヴェール・ラ・メゾン・ルージュ」…って、赤だと思っていたけれどロゼなのだそうです)用にプレスしているところを見学させてもらいました。
夜は(といっても日が暮れるのが早いので、本当は6時くらい)キッチンのお手伝い。ジャン=イヴの親戚の女の子が食事の用意を担当していて、彼女やドイツ人研修生とおしゃべりしながら一緒にお料理のお手伝いをして、緊張がほぐれました。早目に就寝して、翌日の午前中は醸造所で仕事。

私が醸造所に下りた時には、木製の旧型プレス機はすでに解体されていました。
前日にプレスした残り(果帽)を崩して容器に入れます。

果帽は圧搾されているので、かなり凝縮されていて重いです。
これを隣人が引き取り、発酵させてワインとは別のアルコールを造るらしい。
果帽を全部集め終わったら、プレス機をきれいに洗って、午後からいよいよ収穫。

車に乗って1時間ほど移動し、シニャン近くの畑へ。他の人が栽培している畑で、いわゆるネゴス(他の人からブドウを買ってワインを造る)用の収穫です。品種は白のジャケール。
ジャン=イヴが「これより平らな畑はない」と言うほどの平地で、丘の斜面でのキツイ収穫を勝手に覚悟していた私はちょっぴり拍子抜け。でも南向きで、周りも畑なので、日当たりは抜群。
初めてのことなので、カビがついているものは取り除いた方が良いのか?など、迷いながらやっていたら、他の人から相当に遅れをとってしまいました。実はこのカビ、「pourriture noble(プリチュール・ノーブル)」と呼ばれる貴腐ブドウでした。取り除かなくてよかったのね…。
今年は悪性のカビが少なく、ブドウの質が良いとのこと。ただ、量は昨年に比べて減ったみたい。質・量の両方がかなうということは、なかなか難しいようです。

一区画の収穫を終え、醸造所に戻り、発酵槽へブドウを入れ、収穫用のカゴを洗って終了。収穫は助っ人さんが数人いたのですが、醸造所へ戻ってからは私を含めて4人だけ。荷台から醸造所の中へブドウを運ぶのが二人、それを受け取って発酵槽へ入れるのが二人。私は前者としてお手伝いしましたが、思ったよりも重くて(後から聞いたところによると、カゴひとつ約25キロだそう)、途中、へこみそうになりました。でも晴天の夜空に輝く満月に元気をもらって頑張りました。

翌日は、ジャン=イヴの畑での収穫。
前日の畑に比べ、ブドウの木の仕立てがずっと整っていて、雑草の手入れもされていて、きれいな畑でした。でも、網を張って予防していても、周辺の森に住む鳥や小動物に食べられてしまうとこのことで、収穫はだいぶ減ってしまいました。

貴腐のところに蜂が集まってきます。
そこがとても甘くて美味しい証拠。
お昼休憩にみんなに飲ませてくれた
La petite robe 2011(ラ・プティット・ローブ 2011年)。
前日のネゴス用の畑のブドウからできています。
赤品種モンドゥーズ。
きれいでいっぱい実のついた房を収穫するとき、
なんだか幸せ。

各区画が小さいので、この日は早めに終わりました。途中でお昼ごはんの休憩をとりつつ全部で五区画を収穫、午前8時半頃に始まって午後2時頃に終了。
醸造所に戻ってブドウを発酵槽に入れ終わって一息ついていたら、週末助っ人が到着。普段はブルゴーニュのドメーヌで働いている、フランス人の若い男の子と日本人の女性。別に申し合わせたわけではないのに、同じ時期にこの小さな醸造所に日本人が二人も!個人的にはとても嬉しい。
実はジャン=イヴのところには、以前から日本人の研修生がたくさん来ているようです。ジャン=イヴも奥さんも、面倒見が良くて親切で色々な人を受け入れてくれるから、外国人でも安心して学びに来ることができるのでしょう。
さて、男手が増えたので、あまりやることがなく、女性同士でおしゃべりしながら見学。でも、やっぱり私たちは日本人、他人が働いているのを手伝わずにぼーっと見ているだけというのは、なんとなく居心地悪い。でもおしゃべりは楽しい…(なんのこっちゃ)。
夜は、ご飯を食べながらワインのテイスティング。ジャン=イヴのテイスティングはいつもブラインドです。品種、地方、ヴィンテージ、生産者名などを当てさせられます。私はハズしてばっかりでした…。でも、こうしてブラインドで飲むと、率直に好きか嫌いかが感じられて面白かったです。(一般的に美味しいと評価できるかということはまた別問題だと思いますが。)

土曜日は、更に助っ人が増え、なかなかの大人数でジャン=イヴの畑での収穫。私が参加した初日からお天気に恵まれ、この日も雲の少ない晴天となり、高地で斜面にある日当りの良い畑で汗だく。
これよりも傾斜が急な畑があり、
カゴがブドウでいっぱいになると運ぶのが大変。

散らばった区画の間の移動途中に出会ったロバさんに挨拶。
かわいい〜!

お昼ごはんは、畑の間の野原でピクニック。ジャン=イヴが彼のワインをマグナムボトルで持ってきて振る舞ってくれました。楽しい、美味しい!
意外にブドウが少なかったようで、予想よりも収穫は早く終わり、少し余裕のある一日でした。私たちにとってはその分ラクだったけれど、ジャン=イヴにとっては生産量が厳しいヴィンテージになりそう。

日曜日、午前中は曇りのち雨。ネゴス用のブドウ収穫です。今までとは反対に、思ったよりもブドウの量が多く、カゴが足りなくなって、収穫しきれないまま不完全燃焼な気分で終了。
嵐で不思議に美しい光の空とブドウ畑。
醸造所に帰った頃には雷の音まで聞こえてきて、ちょっと不安な空模様。でも山のお天気だから変わりやすい?午後は晴れ間が見えました。
お昼ごはんに、またワインのブラインド・テイスティング…で、私はまたまた思いっきりハズしました…。十分美味しいと思ったけれど、ジャン=イヴにとっては「やっぱり嵐の日はイマイチ」だったそう。「それでも美味しい」と付け加えてはいたけれど。天候のせいでワインの味が万全ではないとわかっていても、やっぱりこれが飲みたかったのだそうです。
Dard et Ribo "Saint-Joseph" 2005
若々しく感じられるほどのフルーティさとシラー種のきれいな酸。

午後は、朝収穫したブドウを発酵槽に入れたり、1週間ほど前に収穫してマセレーション(漬け込み)している発酵槽のピジャージュ(果帽を果汁に落として混ぜる作業)など、醸造所のお仕事。
ブドウがいっぱいに入った発酵槽

ピジャージュした後の別の発酵槽

月曜の朝、ブルゴーニュからの助っ人さんたちが出発し、ジャン=イヴは書類関係の仕事。私はやることがないので、ぼーっとしていました。
うらやましい猫の生活
お昼近くになって、新しい研修生が到着。扉を開けたら……なんと!うちのお店の常連の若い男の子でした!
まさかこんなところで再会するとは…。
何かの運命呪いか?

午後、醸造所で樽の土台をなおす仕事を少し手伝って、気がつけばもうそろそろ出発の時間。みんなにお別れを言って、ジャン=イヴには「souvenir(「おみやげ」というか「思い出の品」「記念品」という意味合いのあるもの)」にワインをいただき、とてもとても良い収穫体験ができました!!と、胸いっぱいでペロン家を出発。
…したものの、なんとバスが20分も遅刻。これではアヌシー駅からのTGVに間に合わない!?ということで、急遽、ジャン=イヴの奥さんが駅まで車で送ってくれました。しかし、アヌシー市街に入ったところから帰宅ラッシュなどで車の交通量が多く、「ああ、もうダメかも」と言いながらギリギリの時間に駅に到着。すでにTGVの出発アナウンスが流れていて、ホームを探しながら駅を駆け抜けました。と、ホームに着いたら電車の扉はもう閉まっている!先にホームに着いた奥さんが「待ってえ!」と叫んでくれて、ホームにいた駅員さんに「早く!」と促されながら、ひとつだけまだ開いていた扉まで3車両分くらい走り、なんとか乗ることができました…。無我夢中とはこのことか、というくらい余裕がありませんでした。本当にもう乗れないと思ったよ。
収穫の仕事はキツいと聞いていたけれど、収穫滞在中、結局一番キツかったのはこの最後の直線ダッシュでした…。

というわけで、本当に忘れがたい体験となりました。
Merci Jean-Yves!

2013年10月14日月曜日

今日ワイン : Jérôme Jouret "L'abri" 2011 & "Pas à pas" 2012

店主が夏休み中に南ローヌ地方アルデッシュ県で色々とテイスティングしてきたらしく、私がヴァカンスから戻ってきたら、お店にそこのワインがどーんと増えていました。
その中で、ワインをたくさん知っている友人インポーターさんにもオススメされたのがジェローム・ジュレ。日本でも人気があるみたい?
四種類のキュヴェがお店に入荷して、そのうち三つを店頭に出しているのですが、あっという間に売れてしまいました。(まあ、店主と私、二人ともがオススメしているから当たり前か。)

三つのうち一つが「ラブリ」2011年。

品種はカベルネ・ソーヴィニヨン100%。南ローヌでカベルネ・ソーヴィニヨンは珍しい気がします。あ、でもはカベルネ・フランはあるかな?
生産者さんがキュヴェの品種名を言うとき、よく「カベルネ」とだけ呼び、一緒くたにされている気がしていて、実際にカベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンがどれだけ違うのか、よくわかりませんでした。それが、今回これを飲んで、なんとなくわかった気がします。カベルネ・フランの方がタンニンが柔らかく、カベルネ・ソーヴィニヨンはもっと力強い感じ。先日来店した別の生産者さんにも聞いてみたら、やはりカベルネ・ソーヴィニヨンの方が果皮が厚くてタンニンが多いそうです。
でもこのワインはタンニンが前面に出てこず、口当たりが軽くすーっと入ってきます。ただ、カベルネ特有の香り(ピーマンとよく言われる)が強く感じられました。
実は個人的にはカベルネ・ソーヴィニヨンは苦手な部類に入るので、あの独特の香りには敏感なのです。それでも、美味しく出来ているワインはやっぱり好き。まさかこんなに軽やかでさらっとしたカベルネ・ソーヴィニヨンがあるとは。南ローヌと言うと、太陽いっぱいで濃厚でアルコール度の高いワインというイメージですが、これはそういう先入観とは全く異なるワインでした。
これはリピーターさんも多くて、数日で完売。

もう一つ、グルナッシュとシラー混合のJava(ジャヴァ)というキュヴェもありましたが、ラブリと競うように完売。(飲み損なった…。)

そして店頭にまだ残っているのが「パザパ」2012年。

品種はカリニャンとアリカンテ。
こちらはヴィンテージが若いせいか?まだだいぶ閉じていて還元香(獣っぽい香り、豆を煮たような香り)がするので、少しオススメ度が落ちています。カラフに移したり、予め抜栓しておく時間の余裕のある人向けです。
私は、カラフに移してぐるぐるまわしました。それでも少しとがったようなタンニンの渋みが感じられました。3杯目くらいからだいぶほぐれ、フルーティさが前面に出てきました。…と、気づいたらもう空っぽ。なんだかんだ言ってすいすい飲んでしまっていました。(二人だったし。)
カベルネと対照的に、カリニャンは好きな品種です。小粒な赤いベリー系、タンニンは他品種より少なめで酸味もある印象。「パザパ」は、まさにそういうワインでした。

軽くて飲みやすくて、お値段も手頃(うちのお店では8,70ユーロ、現在のレートで日本円に換算すると1200円くらい)。しかもSO2無添加。本当に嬉しいワインです。
でも生産量があまりないと思うので、再入荷は無理かなあ?


2013年9月24日火曜日

今日のワイン : Pierre Beauger "V.I.T.R.I.O.L. extra" 2005

土曜日の午後、お客さんの流れがちょっと区切れたところで店主が「何か飲もう」と誘ってくれました。わーい、何を飲ませてくれるのかな〜?とちょっぴりわくわくした直後、「好きなのを選んで良いよ」と。こう言われると、テイスティングしてない新着ワインがたくさんあるので迷うのですが、つづいて「地下カーヴへ行って、どれでも良いから一本取ってきて。任せるよ」……って、えーーーっ、ホントに良いのーー??そんなこと言ったら、何を取ってくるかわかりませんよ?と思いつつ、ついつい顔がほころんでしまいました。地下には店主秘蔵のワインもあるのです。
本当は、すぐさま頭に浮かんだのはピエール・ボジェの「ジョウニ・ロットン」(フランス語読みだと「ジョウニ・ロッテン」)だったのですが、一度テイスティングしたことがあったし、値段を知っているので遠慮しましたw
他にはどんなものがあったっけな〜♪と、カーヴへの階段を下りながら、どうしても勝手にひとりでに口元がニヤニヤとゆるんでしまう…。
飲んでみたいものはいっぱいあったし、数が残り少ないものは店主に悪いかなあ…などと迷ったのですが、結局コレ。
ピエール・ボジェの「ヴィトリオル」2005年。
噂には聞いていたけれど、赤ということすら知らなかったー。あはは。
オーヴェルニュのガメイ。
店主によると、2005年は亜硫酸がちょっとだけ添加されているとのこと。
栓は王冠です。

「vitriol」とはフランス語で「辛辣な言葉」「毒舌」という意味。第一義は「濃硫酸」らしいですが。
でもよく見ると「Visita Interiora Terrae Rectificando Invenies Operae Lapide」の略ということになっているみたい。このフランス語訳は「Descendre dans les entailles de la terre, en distillant tu trouveras la pierre de l'oeuvre」と表記されていて…って、面倒くさい解説はここまでにしときます。あんまり意味ナイと思うので。

開けたては、少し炭酸ガスがあってワイン自体は若干閉じてる感じ。でも酸のきれいな赤い果実の味。ちょっと時間がたってから昆布出汁のような旨味とミネラル。その後、ヴァニラっぽさが出てきました。短時間でくるくると変わっていくのが面白い。しかし、うーん、やっぱりSO2のせい?なんとなく頑ななところがあるような…。ある一定のところから変化が止まってしまったようでした。ゆっくり時間をかけて楽しみたかったけど、時間もなかったので急いで数人で分けて、あっという間に瓶を空けてしまったのが残念。やはりこういうのは、独り占めしてじっくり味わう方が良いのかな…。でも、自分じゃなかなか買えないから、こういう機会にあやかれて良かったー。ワイン屋の役得かな?

2013年9月18日水曜日

今日のワイン : La grange aux belles "Pink Fluid" 2011

「今日の…」ではなく、8月のヴァカンス中に飲んだロゼワイン。

ラ・グランジュ・オ・ベルの「ピンク・フルイド」2011年。
名前買いですw
ラ・グランジュ・オ・ベルは、うちのお店でも色々なキュヴェをコンスタントに扱っているのですが、個人的にはあまり飲んだことがありませんでした。ただ、キュヴェ名やラベルのわりには、着実なものを造るタイプの生産者、というイメージ。
今回のロゼはブルターニュのワイン屋で見かけて買ってみました。
たしかカベルネ・フラン100%。
フローラルで甘みもあり、アルコール度は低くて(11.5%)、とっても飲みやすい。サイケデリックな味わいとは思わないけど、フラワーパワーな雰囲気の真夏の野外ミュージックフェスには似合うかも。
ちなみに、草木の間の猫の額ほどの砂浜で、傾く夕日と海を眺めながら飲みました。難しいこと考えずに、シンプルにナチュラルに楽しむのにぴったりでした。

こんな感じ?
…いや、ちょっと違うかなw

Poires au vin : 洋梨の赤ワインコンポート

8月中旬から9月初旬までヴァカンスにでていたため、すっかり更新が滞ってしまいました!

ヴァカンス中はフランス北西部のブルターニュ地方で田舎暮らしをしていました。天候が不安定な地域なので、「雨でやることがない日にでもブログをやろうかな」と思っていましたが、今年は素晴らしく晴れた日が続き、結局、連日夏を満喫していました。
3日ほど前にパリに戻ってきたのですが、もうすっかり秋の気配が色濃くなっていますね。雨が降って寒いくらいです。

さて、夏休みの間に、近くに住む知人が「うちの庭でいっぱいとれたので」と洋梨をおすそわけしてくれました。
かための梨で、どちらかというと調理に向いているとのこと。その知人が洋梨の赤ワインコンポートを作ってご馳走してくれたので、私もうちに帰ってから真似して作ってみました。
レシピはインターネットでいつくか見て、なんとなく良さそうだったのを参照。日本語訳してのせておきます。

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Poires au vin (洋梨の赤ワインコンポート)

洋梨 4個
赤ワイン 400ml
砂糖 大さじ3(40g)
グローブ(丁字) 2つ
粒こしょう 4個
シナモンの皮 1かけ
バニラビーンズ 1房分
オレンジの皮 1かけ

1.洋梨を半分、または4等分に分け、種と芯の部分をとる。
2.大きめの鍋にワイン、砂糖、その他のスパイスすべてを入れて煮立たせる。そこへ洋梨を入れ、弱火にして約15分煮る。煮くずれないように注意。
3.洋梨を静かに取り出し、器に盛る。
4.煮汁を濾し、さらに火にかけ、好みの濃さまで煮詰めてシロップを作り、洋梨にかける。
5.1時間ほど冷ましてからいただく。好みで、ミントの葉を飾ったり、クレーム・ド・カシス(カシスのリキュール)をかけてもよい。
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とっても簡単。
私はキッチンにあるものだけで作ったので、オレンジの皮を入れなかったり、バニラビーンズの代わりにバニラシュガーを使って砂糖の量を減らしたり、適当にアレンジしました。いい加減に作っても全然大丈夫なお手軽デザートです。

ただ、こういうシンプルなデザートで、しかもワインが大きな役割を担っているとなると、使うワインによって味がだいぶ左右されると思います。レシピにはボジョレがよいとされていて、他のレシピでもブルゴーニュがすすめられていましたが、調理に使うと酸味が引き立ってしまうような気がします。もちろん、人それぞれの好みにもよりますが…。
私は二回作ってみて、それぞれ違うワインを使ったら、やはり仕上がり(味)に違いが出ました。
最初は南ローヌのシラーとグルナッシュ主体の濃いめのワインを使いました。タンニンはそこそこあるものの過度でなく、熟した果実の風味がたっぷりとあって、シロップもふくよかな味わいになりました。スパイスに合っていたし、まだ熟し切っていない若い洋梨をしっかりサポートしてくれました。
二回目はルシヨン地方のカリニャン種のワイン。
ビオ・コープ(有機食材の生協)で購入。
…って、これ、京都のバーで飲みました…。
ベーシックなワインとはいえ、日本で買うとそこそこ高いのに、料理用に使える贅沢。
タンニンはきつくなく、さわやかなフルーティさがワインを軽くしてくれています。でも火を通したら思ったよりも酸味が出てて、わりとさっぱりした感じのシロップになりました。ちょっとお砂糖の量が少なかったせいもあるかな…。
個人的には最初のワインで作ったコンポートの方が好みでした。

クレーム・ド・カシスもミントの葉もうちになかったので省略。
代わりというわけではないですが、生クリームを添えました。この生クリームと赤ワインシロップのハーモニーが美味しいのです〜。
うーん、でもやっぱりミントの葉があったらよかったかなあー。

これから秋の終わりまで梨が出回るので、こんなデザートもいかがでしょうか。




2013年8月9日金曜日

パンと牛乳

フランス語の表現で、「ça se vend comme des petits pains」というのがあります。直訳すると「美味しいパンのように売れる」。パン(pains)の前につく「petits(プチ)」は、まず「小さい」という意味の単語ですが、その他に「可愛い」「愛おしい」という愛情を表す意味としても使い、この場合は「美味しいパン」ということのようです。これは「よく売れる」「どんどん売れる」ということの表現として使います。
以前、他のワイン・ビストロ兼カーヴでバイトしている人と話していたときに、希少なワインの話になり、彼の働いているお店はそのワインの在庫をだいぶ持っているらしく、この表現で「よく売れている」と言っていました。美味しいパンのように売れるワインはやっぱり美味しいということでしょうね
そして、パンとワインなんて合わさったら、うーん、やっぱりキリスト教がベースにある国なんだなあ…という感じがします。パンはキリストの肉、ワインはキリストの血。

また、「ça se boit comme du petit lait」という表現もあります。こちらは「美味しい牛乳のように飲める」という表現で、「たやすく飲める」「どんどん飲める」という意味。
あるとき、一緒にテイスティングしていたお客さんが「あーこれは美味しい牛乳みたいに飲めるねー」という感想を言って、なんだか可笑しかったのですが、軽くて飲みやすく、まさにそういうワインでした。かといって朝食と一緒に飲むわけにもいかないでしょうが…。

ワインなのにパンに例えられたり牛乳に比べられたり…。
面白い。



ちなみに最近、うちのお店で「美味しいパンのようによく売れ」て「美味しい牛乳のようにするする飲める」オススメのワインは、マルセル・ジュベール「ボジョレ・ヴィラージュ、キュヴェ・ア・ランシエンヌ」(2011年)。

Marcel Joubert "Beaujolais-Villages Cuvée à l'Ancienne" 2011

無濾過でSO2無添加。とても軽くて、この暑い季節、少し冷やして飲むのもよし。
正直言ってボジョレは苦手(よくわからない)な私ですが、これは素直に美味しかったです。

2013年7月26日金曜日

ワインセラー、ワインクーラー

とっても暑い日が続いております。こんな気候の7月ってパリでは珍しいような…。

今年は、フランスは全国的に6月半ばくらいまで太陽の出る日が少なく、気温も低くて、生産者さんは口をそろえて「ブドウの発育がいつもより遅い」と言っていました。地域によっては雹の被害があったらしい(特にヴーヴレイがひどかったとよく聞きます)。
でも、本格的に夏になってからは毎日太陽いっぱい。先日会ったシャンパーニュの生産者さんは「このまま良い天気で暑い日が続けば、素晴らしいヴィンテージになるだろう」と言っていました。楽しみ!

で、こんな暑いときは、お店のクーラー用ワインセラー(つまりワイン用冷蔵庫)で冷やしておいたワインがよく売れます。仕事からの帰りがけとか、友達のうちに遊びに行く直前などに、冷えていてすぐ飲めるものを買いに来る人が多いのです。ロゼ、白、スパークリングはもちろん、軽い赤も冷やしておきます。
わりと大きめのワインセラーなのですが、ついあれもこれもと入れてしまい(そのうえ店主が自分で飲みたいやつやテイスティング用のも入れている)いつも満杯になっています。入れ過ぎはよくない…と思いつつ、各棚に瓶が山積み。
先々週、私が1人で店番していたとき、お客さんに冷蔵庫から何本か出して見せようとしたところ、山が崩れて前後へ落ちてしまいました。前へ落ちたワインは1本だけ、木の床にあたったけれどセーフ。その他、ガツンと背板に当たったものが3、4本。こんな風に山が崩れて後ろに当たることはわりとしょっちゅうあるのです。とりあえず、割れたものはなかったのでホッとしました。
ところが…数分後、いきなりアラームがピーピー鳴りだし、どうやって止めたらよいのかわからない!そのうえ、こういう時に限ってお客さんが立て続けに入ってきて、レジ前に人が並ぶ状態に…。
なんとか電源オフにするスイッチを見つけてアラームは止まりましたが、それまでピーピーいう音が勘に障るし接客に追われるし、かなり焦りました。

どこかのスイッチ押したりして調整したらなおるのかなー…と淡い期待を抱いていたのですが、その後、冷蔵庫は回復の兆しなし。どうもサーモスタットが動かなくなってしまったようです。
この暑い時期にワインが冷やせないと困る〜。どうしてこういう大事なときに壊れるのか。(こういうの、世間の法則のような気がします…。)
店主がカスタマーサービスに何度も電話をしているようだけど、なかなかつながらないそうで、修理に手間取っています。

なので、ここ最近、午後になると近くのカフェに氷をもらいに行き、ワインクーラー(バケツ)に入れて冷やすという古典的(かつ確実な)方法を用いています。ワインをバケツから出すときの氷の崩れる音と水のはじける音が耳に心地よく、また、ひんやり冷えた瓶が手にも見た目にも気持ちよく、涼を感じます。
おうちで飲むときも、こうして冷やすと気分も出てもっと美味しく感じるかも。

でも、一辺にたくさんの瓶を冷やすことができないのと、かさを増やすため水も入れるのでラベルがはがれそうでちょっと心配…などという難点があり、お店としてはやっぱり冷蔵庫で冷やす方が実用的。
店主が夏休みに出るまでになおるのかなあ…。
(多分無理。)

2013年7月14日日曜日

暑い日の軽い赤3つ

パリは7月に入って暑い日が続いています。
夏になるとスパークリングやロゼ、白がよく売れますが、やっぱり赤も根強い人気。でも暑い時は、どっしり濃厚な赤より軽いのが飲みたい。

ということで、ここ数週間のうちで飲んだ軽い赤を3つご紹介。

まずは6月半ば、気温が上がってきたときに飲んだ、セバスチャン・ボビネ&エメレン・カルヴェズ「ハナミ」2012年。
Sébastien Bobinet et Emeline Calvez "Hanami" 2012
うーん?「ハナミ」ってやっぱり「花見」のことよね??
花見の季節にはもう遅いけれど、品種はカベルネ・フラン、軽くフルーティ、でもタンニンはそれなりにあって、暑いときの食事のお供に良いのではないでしょうか。特に少し冷やすと(といっても白みたいにキンキンに冷やしてはダメですが)ボディがひきしまって美味しいです。以前飲んだ「グレタ・カルボ」と同じ生産者で、同じくマセラシオン・カーボニックですが、ヴィンテージが違うのと、こちらは醸造がもう少しシンプル(醸造期間が短く、樽ではなくタンク)らしいです。

6月末、日の長い夏の夕暮れに飲んだ、レ・カイユー・ドュ・パラディ(クロード・クルトワ)「ナカラ」2011年。
Les Cailloux du Paradis (Claude Courtois) "Nacarat" 2011
以前から好きなキュヴェ。品種は、たしかガメイだったと思いますが…ヴィンテージによって違う品種も入っているかもしれない。クロード・クルトワは「品種の博物館」みたいに、畑にたくさんの種類のブドウを持っていると言うし…。
ミネラリティがあって、タンニンも軽妙で、アルコール度も低いし、スルスル飲める。しっかり食べるときよりも、茹で野菜やサラダなどのさっぱりした前菜に合うかな。もちろん、アペリティフにも。

そして、つい最近飲んだ、ムーレシップ(アラン・アリエ)「ピチュネ」2012年。
Mouressipe (Alain Allier) "Pitchounet" 2012
6月に到着した新しいヴィンテージをまだテイスティングしていなかったので、数日前、店主とお店で一本開けてみました。抜栓直後は人口香料を加えたのではないかと疑ってしまうくらいに強いフローラル(バラ)な香り。口に含むと、アルコール度が高いのは感じますが、タンニンのひっかかりが全然なくて、ブラインドで飲んだら「ロゼ」と言ってしまいそうなくらい軽い赤。品種はサンソーとグルナッシュで、以前はサンソー中心でしたが、2012年は半々になっていて、「ロゼみたい」と言う私のコメントに対して、店主は「でもやっぱりグルナッシュの重みが感じられる」という意見。アルコール度が前年より高い(前年はたしか11,5度、今年のは13度)のも、グルナッシュの比率が多いせいかな?時間がたって段々と落ち着いてきたら、ちょっと苦みのある、いつもの「ピチュネ」っぽさが出てきました。多分、数週間から1ヶ月、そしてまた数ヶ月たったら、変化していくだろうなーという感じ。
で、これを昨日の夜、うちで開けてみたら、香りは前回ほど強烈ではなくて、いつもこのキュヴェに感じる苦みとか、多少のタンニンもだいぶ出てきていて、印象がまた違っていたのでびっくり…。ワインってわからないもんだなあー。
夏野菜のお料理(ラタトゥイユとか茹でアーティチョークとか)に合いそう。



2013年7月9日火曜日

夏だから…というわけではないけれど、白ワイン3つ

5月、6月と不安定なお天気が続き、太陽の光を浴びる日が少なかったパリですが、ここへきて急に真夏!
そんな7月初旬の日曜、夫の仲良しの友達、フィリップをうちによんで、アペリティフ&ディナー。フィリップは今私が働いているワイン屋の古くからの常連で、実は彼が「良いワイン屋があるよ」と教えてくれたのです。ワインが好きなうえにお店においてあるワインもよく知っているから、「まだ飲んだことがなさそうなものにしよう」と、セレクトにちょっと気を使いました。
ってことで、お店に入荷したばかりのワイン、結局、私も飲んだことないものばかり。

アペリティフに、店主オススメのイタリアのスパークリング。
Matteo Furlani "Sur Lie Alpino" 2012 (?)
マッテオ・フルラニ「シュール・リ・アルピノ」2012年(多分)。
インポーターさんがテイスティングでお店に来たときに私はいなかったので詳細があまりわからないのですが、北イタリアのトレント付近、高度な山地で栽培されたブドウで造られているそうです。店主は「おもしろいワイン」と言っていましたが、本当、ちょっと変わってる。グレープフルーツジュースのようなフレッシュなフルーティさの裏に塩っぽさがあり、アルコール度軽め、気持ちよくゴクゴクと飲めて、こんな夏日にぴったり。

さて、テーブルについて、前菜にアーティチョークとグリーンピース。
今回は紫色のこぶりなアーティチョークでしたが、大きいやつを丸ごと茹でて、一枚一枚葉っぱをはがし、ドレッシングにつけて歯でしごきながら食べるのが好き。でも、食べるたびに「こんな食べ方、いったいどうやって考えついたんだろう」と不思議に思ってしまう。
グリーンピースは固めに茹でて、野菜のスープストック(日本だったら昆布出汁なのだけど)に浸し、冷やして食べました。
これに合わせて、ワインはジャン=イヴ・ペロンの「ラ・プティット・ローブ」2011年。
Jean-Yves Péron "La Petite Robe" 2011
品種はジャケール。ジャン=イヴ・ペロンのワインの中でもシンプルに造っているキュヴェではないでしょうか。でもやっぱり造り手としての手腕を感じさせる。レモンのような柑橘系のさっぱりとした酸、アルコール度10.5%と口当たりも軽め、でもハチミツっぽさや樹脂の香りがあり、風味はしっかりあるワイン。今回のような軽めな前菜やアペリティフ向き。

そうそう、アペリティフと前菜の間に、前の晩に開けて飲み切らなかったジャン・モーペルテュイ「ピュイ・ロン」2007年。
Jean Maupertuis "Puy Long" 2007
開けたては、石油っぽい香りで(夫は「掃除に使う蜜蝋(ワックス)」と言っていましたが)でかなり閉じていましたが、樽熟成独特のまろやかな香りもあり、シャルドネ種の力強い白。2007年ですから、だいぶ古いヴィンテージです(…って、店主が急に地下倉庫から発掘してきたんです…)が、全然衰えてない、というより、美味しい。翌日でもまだ少し石油っぽさはありましたが、グラスに入れて少したったらさすがにほどけてきて、なめらかで飲みやすくなりました。嫌味がなく柔和。こちらは食事向きワインかな。クリーム系ソース添えの白身魚とか鶏肉とか。

メインにもう一本飲んだのですが、今日はとりあえず白3つ。

夏らしくショートパンツに半袖シャツ、帽子をかぶって、芍薬の可憐な花束を持ってきてくれたフィリップ。そんな姿を街で見かけたらなかなかカッコイイだろうなーと想像してしまいました。
Merci Philippe!