ぶどうの収穫のタイミングは、ワインのアルコールと甘みの土台となるぶどうの糖分にとって非常に大切ですが、同様にワインに欠かせない酸味にも影響します。ぶどうが熟しすぎると、糖分と反比例して酸味が失われてしまうからです。
酸味はワインを支える、言わば骨格のようなもの。
例えばテイスティングのとき、白ワインなら酸味と甘み、そしてアルコールという三大柱のバランスが問題になります。大雑把に言ってこの三つの要素から構成されていると考えれば、白ワインにおける酸味の役割はとても大きいということがわかります。「辛口白ワイン」というと、「辛い」というより、甘口の反対、つまり甘みとアルコールの与えるまろやかさが少なく酸が多い白ワインなわけです。しかし甘口の白ワインであっても、酸がまったくないわけではありません。酸味のないワインは美味しく感じられなくなります。べたつくように甘ったるかったり、しまりがなく重い印象を与えてしまうのです。
赤ワインには、これにタンニンが入ってくるので、味覚のバランスはもう少し複雑です。赤ワインだと様々な香りやタンニンに気を取られ、白ワインよりも酸味についての評価が忘れられがちですが、タンニンは酸味につられて強く感じられることもあり、赤ワインにおける酸も実は重要な要素なのです。
ワインに含まれる酸にはいくつか種類があり、主要なのは酒石酸、リンゴ酸、クエン酸です。酒石酸はほとんど変化することがなく、一番安定した酸なのですが、急激に冷やされると塩のような塊を形成することがあります(無害です)。リンゴ酸はマロラクティック発酵によって乳酸に変化します。多くの場合、これはバクテリアが働いて自然に起こる現象ですが、この発酵で酸の質と量が変化しワインがまろやかになるため、きりっとしたワインを作りたい場合はSO2(二酸化硫黄)を投入して抑制します。(ただし、赤ワインの場合は、マロラクティック発酵によって酸とバクテリアを変化させないとその後の保存期間中に問題が起きる可能性があるため、必須です。)クエン酸は、多くのフルーツに含まれていて、レモンの酸味として有名です。でも、ぶどうにおいては少ない酸です。また、ぶどうの熟成が進むと急激に減ります。
酒石酸、クエン酸、その他いくつかの酸は、ワイン醸造中に添加することが許可されています。
ワイン醸造は本質として化学的なところがあって、様々な要素(例えば酸とバクテリア)の結合反応、空気やアルコールとの接触などで、味や質に影響が出てきます。そこで、現代的技術を使って醸造中に色々と手を加え、保存状態に左右されない安定したワインや、好みの味のワインを作ることもできるのです。
先日、ラングドック地方のドメーヌの方がうちのワイン屋に見本を持って営業に来たのですが、それをテイスティングした店主が真っ先に「現代的なワインだね」と一言。ドメーヌの方は「酸化防止剤も入れていないし、醸造中のワインには一切手を加えていない、ナチュラルなワインです」と説明していましたが、彼が帰った後で店主は「あの地方であの酸味はおかしいだろ」と。たしかに酸が妙に際立っていて、よく味わうと小粒のよく熟した赤いフルーツのような果実味が後から感じられるのですが、どこかバラバラな印象でした。店主によれば「あの酸は自然な味ではないから、ドメーヌの人には悪いけど、酸を加えているに違いない」とのこと。どちらが正しいのか私にはわかりませんが…そういうこともあるのだなと正直驚きました。
近年、熟しすぎたくらいのぶどうで作られた甘く濃厚でアルコール度の高い赤ワインが流行で、酸味は軽視されがちだったようです。でも、酸味はエレガントさ、爽やかさを与えてもくれます。ワインにとって酸はなくてはならない存在なのです。ぶどうの収穫は、熟成度による糖分と酸(赤品種ではそれに加えてタンニン)のバランスを見極めて行わなければならないわけですが、糖度や果実味の凝縮度を求めていたら酸が足りなくなり、後でごまかす…そんなこともあるかもしれません。
2012年8月7日火曜日
2012年8月5日日曜日
今日のワイン:Audrey et Christian Binner, "Katz'en Bulles (Riesling 2009)" (bis); / Jean-Yves Péron "Vers la Maison rouge" 2008
8月に入ってフランスはヴァカンスまっさかり!パリはどこもかしかも閉まっているお店が多く、住宅地は人気も減って少し寂しい感じ。うちのワイン屋も今日から2週間半ほど夏休みです。昨日の土曜日が最終日でした。
店主は一足先にヴァカンスに出てしまったので、一週間ほど一人で店番でした。週の半ばは意外と普通に売り上げもあり、「ヴァカンス用にまとめ買いしに行く」と予告していたお客さんが何人かいたので、もしかして最終日は混んだりするのかも??とドキドキしていたのですが…全く逆、ものすごーく暇でした。そんなのんびりした雰囲気のなか、以前働いていたSさんが奥さんと一緒に遊びに来てくれ、私の夫も珍しく迎えに来てくれたので、閉店後に「明日からお休みだし、一杯いきますか?」ってことで、ワインセラーで冷やしてあったビネールのスパークリングを開けました。
ビネールのカッツアン・ビュル、これで二度目(最初はこちら)。前回も「うん、ぶどうの果実味がぎゅっと凝縮されてて美味しいね〜」とは感じたのですが、今回はもっと美味しかった!!泡は若干弱めですが、個人的にはクレマンなんかだとシュワシュワしすぎて苦手なので、これくらいのが好きです。味は、なんだか複雑さが増した感じ。「蜂蜜をかけたゴルゴンゾーラ」とはSさんの奥さんの表現でしたが、なるほど、甘みと酸のどちらもがしっかり主張していながらバランスとれてる!このままで十分美味しいし、やっぱりチーズ(ブルー系でもハード系でも)に合いそう。他に、豚ひき肉のパイ包みなんかどうかな…とふっと浮かびました。「最初から最後まで(前菜からデザートまで)これで通せそうですね」と言うSさんに同感。(ただ、これに合うもので献立を考えたら、少し重めなコースになるかも?)
あまりに美味しくてハッピー気分♪
で、火がついた夫が「次は何飲む?」って言うので…ジャン=イヴ・ペロンのガメイ「ヴェール・メゾン・ルージュ」。
実はこれ、4年前に夫がこのワイン屋に初めて来たときに店主に勧められ、夫の好みにバッチリ合致してしまってこのワイン屋に通うきっかけになった私たちのキー・ワイン。(私は働き始める前、ここにお客さんで来ていたのです。)当時、夫はかなり気に入ったようでしたが、私にはイマイチなワインでした。酸味が強過ぎ、なんだか深みに欠けるような気がしたのです。しかしそこはポテンシャルがまだまだ読みれない未熟さの証拠だったのでしょうね。
先日、店内整理をしていたら、このワインが残っている段ボール箱を見つけ、思い入れがある私は「絶対また飲みたい!」と思っていたのでした。別の日にお客さんとこの生産者の話がでたこともあって、店主と電話で業務確認(?)していたときに、このワインを売り場に出して良いか聞いてみたら、「うーん、今どうなってるかわからないから、夏休み明けにテイスティングしてみてからだな」との返事。えっ、そのテイスティングのときに私はいないかもしれないし、それで美味しかったらすぐ売れちゃって入手できないかも…とちょっと焦った私。私の不安(不満?)を感じ取ったのか、「それともなければ、君が一本持って帰って飲んでみてもいいよ」と店主が一言付け加えてくれました。
…という経緯があり、「じゃあ今飲んでみよう!」ということで、開けてみました。
ちなみに、ジャン=イヴ・ペロンはサヴォワ地方の若い生産者。2004年から独自のワインを作り始めたそうですが、彼のワインはとても美味しく、ここ3、4年で人気急上昇、値段も高騰気味。私はそうそう手が出せません…。唯一、ガメイで作った「ヴェール・メゾン・ルージュ」がお手頃価格だったのですが、最近は生産していない模様。
(2013年6月11日追記:ガメイだとずっと思っていたのですが、モンドゥーズだそうです。)
まず、色がとても薄めで、時間が経っているせいか、少しオレンジがかっていました。飲んでみると、酸味はずっと落ち着いて、ミネラルと深み、うまみが感じられ、すっごくすっごく美味しい!!
で、即買い(2本)。
店主は一足先にヴァカンスに出てしまったので、一週間ほど一人で店番でした。週の半ばは意外と普通に売り上げもあり、「ヴァカンス用にまとめ買いしに行く」と予告していたお客さんが何人かいたので、もしかして最終日は混んだりするのかも??とドキドキしていたのですが…全く逆、ものすごーく暇でした。そんなのんびりした雰囲気のなか、以前働いていたSさんが奥さんと一緒に遊びに来てくれ、私の夫も珍しく迎えに来てくれたので、閉店後に「明日からお休みだし、一杯いきますか?」ってことで、ワインセラーで冷やしてあったビネールのスパークリングを開けました。
ビネールのカッツアン・ビュル、これで二度目(最初はこちら)。前回も「うん、ぶどうの果実味がぎゅっと凝縮されてて美味しいね〜」とは感じたのですが、今回はもっと美味しかった!!泡は若干弱めですが、個人的にはクレマンなんかだとシュワシュワしすぎて苦手なので、これくらいのが好きです。味は、なんだか複雑さが増した感じ。「蜂蜜をかけたゴルゴンゾーラ」とはSさんの奥さんの表現でしたが、なるほど、甘みと酸のどちらもがしっかり主張していながらバランスとれてる!このままで十分美味しいし、やっぱりチーズ(ブルー系でもハード系でも)に合いそう。他に、豚ひき肉のパイ包みなんかどうかな…とふっと浮かびました。「最初から最後まで(前菜からデザートまで)これで通せそうですね」と言うSさんに同感。(ただ、これに合うもので献立を考えたら、少し重めなコースになるかも?)
あまりに美味しくてハッピー気分♪
で、火がついた夫が「次は何飲む?」って言うので…ジャン=イヴ・ペロンのガメイ「ヴェール・メゾン・ルージュ」。
実はこれ、4年前に夫がこのワイン屋に初めて来たときに店主に勧められ、夫の好みにバッチリ合致してしまってこのワイン屋に通うきっかけになった私たちのキー・ワイン。(私は働き始める前、ここにお客さんで来ていたのです。)当時、夫はかなり気に入ったようでしたが、私にはイマイチなワインでした。酸味が強過ぎ、なんだか深みに欠けるような気がしたのです。しかしそこはポテンシャルがまだまだ読みれない未熟さの証拠だったのでしょうね。
先日、店内整理をしていたら、このワインが残っている段ボール箱を見つけ、思い入れがある私は「絶対また飲みたい!」と思っていたのでした。別の日にお客さんとこの生産者の話がでたこともあって、店主と電話で業務確認(?)していたときに、このワインを売り場に出して良いか聞いてみたら、「うーん、今どうなってるかわからないから、夏休み明けにテイスティングしてみてからだな」との返事。えっ、そのテイスティングのときに私はいないかもしれないし、それで美味しかったらすぐ売れちゃって入手できないかも…とちょっと焦った私。私の不安(不満?)を感じ取ったのか、「それともなければ、君が一本持って帰って飲んでみてもいいよ」と店主が一言付け加えてくれました。
…という経緯があり、「じゃあ今飲んでみよう!」ということで、開けてみました。
ちなみに、ジャン=イヴ・ペロンはサヴォワ地方の若い生産者。2004年から独自のワインを作り始めたそうですが、彼のワインはとても美味しく、ここ3、4年で人気急上昇、値段も高騰気味。私はそうそう手が出せません…。唯一、
(2013年6月11日追記:ガメイだとずっと思っていたのですが、モンドゥーズだそうです。)
まず、色がとても薄めで、時間が経っているせいか、少しオレンジがかっていました。飲んでみると、酸味はずっと落ち着いて、ミネラルと深み、うまみが感じられ、すっごくすっごく美味しい!!
で、即買い(2本)。
照明を落とした店内で、まったりとおしゃべりしながら美味しいワインを飲んで、とっても楽しかった!そして気がついたらもう夜11時!閉店から2時間以上過ぎていたのでした…。あまりにゆるやかな時間だったので、そんなに遅くなっているとは気がつきませんでした。
お店をしっかり閉めて、さあヴァカンス!
いっぱい飲むぞー。
2012年7月26日木曜日
今日のワイン:Le Pré Noir (Pascal Simonutti) "Le Pré Noir (étiquette verte)", Michel Guignier "Bistère" 2007
前から噂には聞いていて、一度行ってみたいと思っていたCoinstot Vino。ワイン好きの友達がオススメだというので、予約してもらって一緒に行ってみました。
約束の前にワイン屋で閉店まで仕事していたのですが、たまたまお店に来ていた常連客のPとお喋りしていたらこのビストロの名前が出て、「今日あそこへ行くなら絶対これを飲みなさい」と言われたワイン。
私は前菜に魚を選び、この赤があまり合わない気がして、飲むのを控えつつ食べたので、特に他の二人に遅れをとってしまったのでした。
メインもほぼ食べ終わってしまいましたが、やっぱり3人(しかもワイン好きのこの面子)で1本では足りない!ということで、ソムリエのギヨームにおすすめをお願いしたら持ってきてくれたのが、ミッシェル・ギニエの「ビステール」。ガメイ続きで選んでくれました。
約束の前にワイン屋で閉店まで仕事していたのですが、たまたまお店に来ていた常連客のPとお喋りしていたらこのビストロの名前が出て、「今日あそこへ行くなら絶対これを飲みなさい」と言われたワイン。
パスカル・シモニュッティの青ラベル(というか、本当は緑らしい…?ビミョー)。多分2010年。品種はガメイ100%。
これを頼んだら、すぐ返ってきた言葉は「ああ、あれね、すっごいナチュラルですよ〜〜」。カラフしてからグラスに注いでくれましたが…うーん、よくわかった、その言葉の意味。とってもアニマル。というか、厩のような、生きている獣の皮と毛のにおい。でも還元香なので、グラスをぐるぐるまわすうちに消えていきました。それでも最初はなかなかとっつきにくいワインでした。あー、カーヴ・オジェの試飲会でパスカル・シモニュッティさんに会ったときのことを思い出します〜(「俺は俺、他人のことは関係ないぜ」っていう印象だったのです)。除梗してないのかも?青い苦みがあります。そして、ロワール地方(トゥーレーヌ)ながら少しどっしりとした果実味。そこはかとなく可能性を感じ、もうちょっとひらくのを待った方が良かった気がしますが…「すごい!」「美味しい!」と、こういうワインが大好きな友達と夫にぐいぐい飲まれてしまいました…。(個人の好きずきなのか…私のワインの味覚がまだまだ未熟なのか…。)私は前菜に魚を選び、この赤があまり合わない気がして、飲むのを控えつつ食べたので、特に他の二人に遅れをとってしまったのでした。
タプナードがのったグリルの鯖と、ピクルスがのったやわらかい鯖のデュオ。
そしてメインにはイベリコ豚のプルーマという部分のグリル。
これもPにおすすめされた一品。牛ステーキみたいに焼き加減を指定できます。レアでお願いしました。外側はカリッとしていて、中はとってもやわらか。じゅわっと脂がしみて、私にとってはちょっぴりしつこかったですが…。
友達と夫はそろってタルタルステーキ。
薄くスライスしたパルメザンチーズがのっています。じゃがいもが別皿でくるのが嬉しい。「このタルタル、ワインに合うねえ」とご満悦な二人でした。(そして私のメインとのマリアージュはいまいちでした…。まあそんな日もあるわな。)
メインもほぼ食べ終わってしまいましたが、やっぱり3人(しかもワイン好きのこの面子)で1本では足りない!ということで、ソムリエのギヨームにおすすめをお願いしたら持ってきてくれたのが、ミッシェル・ギニエの「ビステール」。ガメイ続きで選んでくれました。
ミッシェル・ギニエはボジョレの生産者。見本市で会ってお話したことがありますが、真摯にワイン作りをしている姿勢が伝わってくるムッシューです。これは村名ヴォールナールのアペラシオンですが、ボジョレ・ヴィラージュや、ボジョレのクリュ(フルーリ、ムーラン・オ・ヴァン)など、いくつかの違うAOCのワインを作っています。でも、自らのワインがAOCだけで呼ばれてしまうのが嫌だそうで、それぞれに名前をつけています。
こちらも奥深さはありましたが、時間が経つと酸味が出てきて最初のに比べると軽め。申し分なく正統なボジョレ。
この後、ワインに合わせてギヨームがチーズを味見させてくれ(おいしいトム、日本酒の生酒を思わせる味がしました)、続いてフランに目がない夫がデザートを追加注文…と、楽しく満腹。閉店すぎまで長居してしまいました。
ビストロでよく見かけるのは大人のカップルですが、数人でわいわい食べて飲んでご機嫌なグループもあったり、旅行者の家族連れグループもあったり、ビールだけ飲んで帰ったグループもあったり…と、気さくな雰囲気のビストロでした。また行こうっと!
2012年7月25日水曜日
今日のワイン:La Sorga (Anthony Tortul), "Aubunite" 2010
先日も飲んだラ・ソルガのワイン、今回のはカルカッソンヌ産らしいです。
「オービュニット」という名前のワイン。そしてこのラベル……。
このラベルに引いてしまって買わないという人が沢山いそうな気がします(-_-;)
なぜにこのようなラベルなのでしょうか?中世の雰囲気の残るカルカッソンヌだから??(いや、カルカッソンヌに行ったことないので知りませんが。)
ぶどう品種はカリニャンとオーブン(Aubun)というあまり聞いたことのない品種。(ちなみにオーバンAubinという白品種もあるらしいですが、別物。)オーブンの原産は南ローヌ地方のヴァントゥー山ふもと辺りらしいですが、風に弱く、あの地域のミストラル(北風)には耐えられないのでしょう、新しく植える人はいないらしいです。ラングドックの方でまだ栽培されているみたい。
抜栓してみたら、コルクがすでにヴァニラっぽい香り。だからブショネではないと思うのだけど、すごくそれに近いような木の香りがしました。樽熟成?(でも、通常、うちの店主は樽熟成の性質が突出しているものは好んで仕入れないはずなのに…?)ヴァニラのようなスパイシーなアロマにメロンみたいなフルーティさもあり、アルコール度は10,5と低く、口あたりもタンニンも軽め。この樽っぽさが気にならない人ならスイスイ飲めるはず(私は気になってしまった)。
なんとなく「???」が頭の中に渦巻くワインでした。どういうものか確かめるためにもう一本飲んでみたい…。
ちなみに、開けた日に飲み終わらなかったので、翌日少し残っていたのを飲んでみたら、樽っぽさが控えめになり、だいぶフルーティさとタンニンが前面に出て来てよかったです。カラフするべきだったかも。うーん、やっぱりもう一本飲んでみたい…。
7月26日 追記:最初にアップした写真の画像があまりにも悪かったので差しかえました。ついでに裏ラベルも追加。
2012年7月24日火曜日
ワインの補糖
前回、アルコールはぶどうの糖分から発生すると説明しましたが、この糖分の調整というのがとても難しいようです。というか、人工的に調整はできないので、収穫するタイミングをよく見計らわないといけません。ぶどうがまだしっかり熟していない状態で収穫してしまうと、アルコール度が足りなかったり、酸の多いワインになったりしてしまいます。かといって、収穫直前の天候によっては、せっかく育てたぶどうがダメになってしまうこともあるので、待ち続けるのも簡単ではありません。
糖分が足りない状態でぶどうを収穫した場合、どうしたらよいでしょうか?
多くの生産者にとって、その答えは簡単、「糖分を補えば良い」のです。
11月の第三木曜日が解禁日となっているボジョレ・ヌーヴォーなどは、解禁日に合わせて出荷しなければいけないので、収穫もあまり待っていられないし、醸造に時間をかけられません。(というか、逆に時間をかけないのが新酒の特徴なのですが…。)となると、少し危うい仕事になります。そこで、生産者は補糖をすることがあります。
これはAOC(原産地統制呼称)を名乗る場合の指南書でも認められている場合があります。そして、認められる補糖の量は、年によって変わるそうです。なぜなら、暑い年と涼しい年では、ぶどうに含まれる糖分が変わるからです。比較的涼しく、甘いぶどうが収穫できなかった年には、特に補糖が認められます。
また、シャンパーニュやアルザスなどの涼しい地域では、当たり前のように補糖する生産者も多いようです。
基本的には、他のぶどうやビーツなどから摂取した糖ですが、例外として精製した糖、つまり砂糖を入れることもあるようです。
以前、テレビのルポルタージュで、大型スーパーで大量の砂糖を買ったワイン生産者が疑われ、監査が入ったところ、ボジョレ・ヌーヴォーを作るのに許容以上の補糖をしていたことが発覚した、と伝えていたのを見たことがあります。
逆に、温暖化の現象によって気温が上がるのと水不足とでぶどうの果実が濃縮され、アルコール度数が上がってしまい、困っている生産者もいます。特に南部ではそうです。2011年は暑い夏が長く続き、全般的に南ローヌではかなりアルコール度数が上がってしまったようです。ちょうど醸造が始まった11月頃、シャトー・ヌフ・ドュ・パップの生産者を訪問したのですが、「今年は本当にアルコール度が高くて困っていて、周りでは水で薄めることにした生産者もいる」と言っていました。
絶対に補糖はしない、水で薄めたりもしない、という生産者も勿論います。ただ、AOC(原産地統制呼称)を名乗るにはアルコール度数の規定もパスしなければいけないので、それを捨てる覚悟でワイン作りにのぞまなければならなくなります。
しかし、添加物を加えることなく、ぶどうそのもの、ぶどうの表現するそのままからワインを作る…そんな自然体の「テーブル・ワイン」と、いわゆるブランドのひとつであるAOCを得るために補糖や加水したワイン、どちらを選ぶかと聞かれたら、私は迷わず前者を選びます。(そしてそれが美味しくなかったら、それはまた別の話です。)
糖分が足りない状態でぶどうを収穫した場合、どうしたらよいでしょうか?
多くの生産者にとって、その答えは簡単、「糖分を補えば良い」のです。
11月の第三木曜日が解禁日となっているボジョレ・ヌーヴォーなどは、解禁日に合わせて出荷しなければいけないので、収穫もあまり待っていられないし、醸造に時間をかけられません。(というか、逆に時間をかけないのが新酒の特徴なのですが…。)となると、少し危うい仕事になります。そこで、生産者は補糖をすることがあります。
これはAOC(原産地統制呼称)を名乗る場合の指南書でも認められている場合があります。そして、認められる補糖の量は、年によって変わるそうです。なぜなら、暑い年と涼しい年では、ぶどうに含まれる糖分が変わるからです。比較的涼しく、甘いぶどうが収穫できなかった年には、特に補糖が認められます。
また、シャンパーニュやアルザスなどの涼しい地域では、当たり前のように補糖する生産者も多いようです。
基本的には、他のぶどうやビーツなどから摂取した糖ですが、例外として精製した糖、つまり砂糖を入れることもあるようです。
以前、テレビのルポルタージュで、大型スーパーで大量の砂糖を買ったワイン生産者が疑われ、監査が入ったところ、ボジョレ・ヌーヴォーを作るのに許容以上の補糖をしていたことが発覚した、と伝えていたのを見たことがあります。
逆に、温暖化の現象によって気温が上がるのと水不足とでぶどうの果実が濃縮され、アルコール度数が上がってしまい、困っている生産者もいます。特に南部ではそうです。2011年は暑い夏が長く続き、全般的に南ローヌではかなりアルコール度数が上がってしまったようです。ちょうど醸造が始まった11月頃、シャトー・ヌフ・ドュ・パップの生産者を訪問したのですが、「今年は本当にアルコール度が高くて困っていて、周りでは水で薄めることにした生産者もいる」と言っていました。
絶対に補糖はしない、水で薄めたりもしない、という生産者も勿論います。ただ、AOC(原産地統制呼称)を名乗るにはアルコール度数の規定もパスしなければいけないので、それを捨てる覚悟でワイン作りにのぞまなければならなくなります。
しかし、添加物を加えることなく、ぶどうそのもの、ぶどうの表現するそのままからワインを作る…そんな自然体の「テーブル・ワイン」と、いわゆるブランドのひとつであるAOCを得るために補糖や加水したワイン、どちらを選ぶかと聞かれたら、私は迷わず前者を選びます。(そしてそれが美味しくなかったら、それはまた別の話です。)
2012年7月17日火曜日
今日のワイン:Les Vins Contés (Olivier Lemasson) "Le Puits" 2011 / La Sorga (Anthony Tortul) "La Sorga rouge" 2011
お天気がまったくさえず、気分もくさりがちな今夏のパリ。夏はどこへいった〜〜!?
…と言いつつも、晴れ間があればカフェのテラスも人でいっぱい。ちょっとくらい肌寒くても、やっぱり太陽を満喫したい!
久々にきれいな夕空がみられた先週末(あっ、そういえばパリ祭の日でした)、私も早速アペリティフの用意。こんな日にはさわやかな白!
…ということで、オリヴィエ・ルマソンの「ル・ピュイ」。
ロワール地域、トゥーレーヌのレ・ヴァン・コンテは、もともとはぶどうを買ってワインを造るネゴスでしたが、最近はオリヴィエ・ルマソンが自分の畑も持っています。
「ル・ピュイ」はソーヴィニヨン100%。ソーヴィニヨンというと、カシスの若芽のような(というか、私は個人的にあまり好きでないので「猫のオシッコのような」と言います)青くさい香りが特徴ですが、このワインにはそれを感じませんでした。むしろ白桃、洋梨、青リンゴのような果実の甘くさわやかな香り。でも口に含むと酸味がしっかりあって、きりっとしています。シンプルなワインで、本当にアペリティフにぴったりです。
美味しいので、ついつい飲むペースがあがってしまいました。
食事のときにもう一本。
アントニー・トルテュルがやっているネゴス、ラ・ソルガの赤。
彼はぶどうを買ってフランス南部のいろいろなところでワインを造っています。これはラングドックのピック・サン・ルー…らしいですが、アペラシオン(原産地統制呼称)はなく、ヴァン・ド・フランス(テーブル・ワイン)。
ぶどう品種はサンソー100%。
以前、お店でちょっと飲ませてもらったときは、ぶどうの濃い甘みが感じられ、「ちょっと甘すぎるなあ…?」という印象だったのですが、店主は「以前、テイスティングしたときはこうじゃなかった」と言っていたので、トライしてみることにしました。
たしかにすっきりしていてタンニンも軽くフルーティ、ミネラル感もあり、なんといってもSO2無添加のピュアなワイン。気に入りました!
…で、調子にのって飲み過ぎましたぁ〜〜。翌日、久々にちょっぴり二日酔い☆
しばらくアペリティフ自粛です(?)。
2012年7月16日月曜日
ワインの酵母
ちょっぴりワイン醸造の裏話を。
ワインという飲み物は「ぶどうをアルコール発酵させてできたもの」ということは、ほとんどの人が知っていると思います。しかし「ワインのアルコールはどうやってできるのか?」と聞かれたら、答えられない人もいるのでは?
ワインのアルコールはぶどうの糖分から発生します。ぶどうがよく熟していればそれだけ糖度があがり、よってアルコール度数も上がります。そのため、フランスワインの中でも、太陽をいっぱい浴びてよく熟した甘いぶどうができる南の暑い地域(ラングドックや南コート・ドュ・ローヌ、プロヴァンスなど)の方が、涼しい北部や山間部(シャンパーニュやアルザス、サヴォワ)よりもアルコール度数が高くなる傾向にあるのです。(その他、品種などにもよりますが。)
さて、ぶどうの糖分は、酵母によってアルコールに変身します。といっても、酵母が勝手に働いてアルコールをつくってくれ、放っておけばワインができる、というわけではありません。色々な酵母があるうえ悪影響を与える雑菌もあり、下手をすると飲めない液体になってしまいます。なので、ワイン醸造家は、発酵の課程で脇道にそれないようによく見張り、もしアクシデントがあればそれなりの対処をしなければなりません。しかし、対処できないケースもあり、下手をすればすべてがパアになる恐れもあります。
こうしたリスクを避け、確実にワインを造るための裏技(というか、今ではほとんどの大量生産ワインでは行われていること)があります。それは、ぶどうについている自然の酵母ではなく、醸造家向け専門店で売っている乾燥酵母を使うこと。これは「選出された」酵母とも呼ばれます。この「有能な」酵母は、他のすべての酵母(ぶどうについている自生酵母)の働きを抑え、アルコール発酵に一役買ってくれるのです。
乾燥酵母が必要な理由がもうひとつあります。特に、ぶどう栽培の課程で駆虫剤や除草剤などを使った場合です。虫や草と一緒に自生酵母も殺してしまう可能性が多く、農薬を使って栽培されたぶどうでは自然発酵が難しくなります。確実に発酵を得るには、人工的に手を加えること、すなわち乾燥酵母を添加することが必要になるのです。
乾燥酵母にも色々と種類があります。専門店サイトで見ることができるのですが、品種特有のアロマを活かす酵母などがあり、生産者は好きなものを選ぶことができます。これを活用すれば、別の品種でも流行のアロマを与えることもできるようです。また、ビオ(オーガニック)のブームにのって、ビオ認定の酵母もあります。
醸造過程で酵母を添加するというのは、意外と知られていない事実のようです。ワインアドバイザーの講座を受けていたとき、醸造課程についての講義でこの話が出たのですが、ほとんどの学生がそのとき初めて知って驚いていました。
スーパーなどでよくみかける、安価で品種を前面に出して品種特有のアロマを売りにしているものは、こういう人工酵母を使っているのだろうなあと思います。
乾燥酵母のおかげで、たしかに無難にワインを造ることができるでしょう。でも、ぶどうが育てられた土地でついた自然酵母は一切抑えられてしまいます。どこかしら個性の欠けたワインになったとしてもおかしくないのでは…と疑問に思ってしまいます。
もちろん、自然酵母だけでワインを造る生産者もいます。むしろ、オーガニック・ムーブメントで、そういう自然派の生産者が増えてきているようです。(といっても、私はこの流行に少し懐疑的なのですが…。その話はまた別の機会に。)
しかし、農薬を使わず、乾燥酵母に頼らない…化学の進歩でラクできることを知ってしまった現代、そんな風に手をかけてワインを造るのはどれだけ大変な仕事でしょうか。黒く荒れた手で自らワインを配達に来る生産者さんに会うたび、私もがんばろうという気持ちになります。
ワインという飲み物は「ぶどうをアルコール発酵させてできたもの」ということは、ほとんどの人が知っていると思います。しかし「ワインのアルコールはどうやってできるのか?」と聞かれたら、答えられない人もいるのでは?
ワインのアルコールはぶどうの糖分から発生します。ぶどうがよく熟していればそれだけ糖度があがり、よってアルコール度数も上がります。そのため、フランスワインの中でも、太陽をいっぱい浴びてよく熟した甘いぶどうができる南の暑い地域(ラングドックや南コート・ドュ・ローヌ、プロヴァンスなど)の方が、涼しい北部や山間部(シャンパーニュやアルザス、サヴォワ)よりもアルコール度数が高くなる傾向にあるのです。(その他、品種などにもよりますが。)
さて、ぶどうの糖分は、酵母によってアルコールに変身します。といっても、酵母が勝手に働いてアルコールをつくってくれ、放っておけばワインができる、というわけではありません。色々な酵母があるうえ悪影響を与える雑菌もあり、下手をすると飲めない液体になってしまいます。なので、ワイン醸造家は、発酵の課程で脇道にそれないようによく見張り、もしアクシデントがあればそれなりの対処をしなければなりません。しかし、対処できないケースもあり、下手をすればすべてがパアになる恐れもあります。
こうしたリスクを避け、確実にワインを造るための裏技(というか、今ではほとんどの大量生産ワインでは行われていること)があります。それは、ぶどうについている自然の酵母ではなく、醸造家向け専門店で売っている乾燥酵母を使うこと。これは「選出された」酵母とも呼ばれます。この「有能な」酵母は、他のすべての酵母(ぶどうについている自生酵母)の働きを抑え、アルコール発酵に一役買ってくれるのです。
乾燥酵母が必要な理由がもうひとつあります。特に、ぶどう栽培の課程で駆虫剤や除草剤などを使った場合です。虫や草と一緒に自生酵母も殺してしまう可能性が多く、農薬を使って栽培されたぶどうでは自然発酵が難しくなります。確実に発酵を得るには、人工的に手を加えること、すなわち乾燥酵母を添加することが必要になるのです。
乾燥酵母にも色々と種類があります。専門店サイトで見ることができるのですが、品種特有のアロマを活かす酵母などがあり、生産者は好きなものを選ぶことができます。これを活用すれば、別の品種でも流行のアロマを与えることもできるようです。また、ビオ(オーガニック)のブームにのって、ビオ認定の酵母もあります。
醸造過程で酵母を添加するというのは、意外と知られていない事実のようです。ワインアドバイザーの講座を受けていたとき、醸造課程についての講義でこの話が出たのですが、ほとんどの学生がそのとき初めて知って驚いていました。
スーパーなどでよくみかける、安価で品種を前面に出して品種特有のアロマを売りにしているものは、こういう人工酵母を使っているのだろうなあと思います。
乾燥酵母のおかげで、たしかに無難にワインを造ることができるでしょう。でも、ぶどうが育てられた土地でついた自然酵母は一切抑えられてしまいます。どこかしら個性の欠けたワインになったとしてもおかしくないのでは…と疑問に思ってしまいます。
もちろん、自然酵母だけでワインを造る生産者もいます。むしろ、オーガニック・ムーブメントで、そういう自然派の生産者が増えてきているようです。(といっても、私はこの流行に少し懐疑的なのですが…。その話はまた別の機会に。)
しかし、農薬を使わず、乾燥酵母に頼らない…化学の進歩でラクできることを知ってしまった現代、そんな風に手をかけてワインを造るのはどれだけ大変な仕事でしょうか。黒く荒れた手で自らワインを配達に来る生産者さんに会うたび、私もがんばろうという気持ちになります。
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