2012年12月25日火曜日

クリスマス・イヴのディナー、甘口ワインとシャンパーニュ

フランスでは、12月も半ばを過ぎると、いよいよ本格的にクリスマスの準備が始まります。街中のところどころにイルミネーションが飾られ、窓際にサンタの人形などをデコレーションしているアパートもたくさんあって、クリスマスを待つ楽しい雰囲気いっぱい。

フランスは元来カトリックの国なので、クリスマス(フランス語では「ノエル」)は大事なイベント。クリスマス・イヴのディナーには集まった家族でテーブルを囲みます。
私はフランス人家庭のイヴのディナーに招待されたことがないのですが(今までクリスマス時期は仕事を休めず、夫の実家まで行けたためしがない)、一般的には、前菜に生牡蠣やスモーク・サーモン、またはフォワ・グラなど、メインには去勢していない大きな雄鶏やホロホロ鳥などの鳥系ロースト、その後にチーズ、デザートにビュッシュ・ド・ノエル…というのが定番コースのようです。

そして、そんな特別ディナーにはコースのそれぞれに合ったワインを一種類ずつ選びます。
お店でワインをおすすめするとき、食事の内容をお伺いしてそれに合うものを選ぶのですが、クリスマス前は、イヴのディナー用に普段とちょっと違ったワインをお求めになられることが多いので、こちらにとってもなかなか面白い時期です。

特に、普段はおすすめすることが少ないのにこの時期によく出るのが、甘口ワイン。

王道として、フォワ・グラには白の甘口ワインと言われています。中でもボルドーの貴腐ワイン、ソーテルヌが有名ですが、その他にはジュランソンやアルザス地方のヴァンダンジュ・タルデイヴ(遅摘みの超ブドウで作られる甘口ワイン)、ヴァン・ドゥー・ナチュレル(ワイン醸造中に度数の高いアルコールを投入して発酵を途中で止め、ブドウの糖分を残した甘口ワイン)や香り高いミュスカなどもあります。
でも、「甘いワインは嫌いだから、辛口でフォワ・グラに合うものが欲しい」と言う人も結構います。赤だったら、タンニンがたっぷりのフランス南西地方の濃いワイン(マディランやカオール)を合わせるのも良いでしょう。

また、デザートにもやはり甘口ワイン。特にチョコレート系のデザートは、カカオの渋みもあるので、赤の甘口ワインがおすすめです。赤の甘口ワインは種類が限られてしまいますが、フランスでは、ルシヨン地方のスペイン国境に近いバニュルス、リヴサルト、モリー、南ローヌ地方のラストーといった地域のものがあります。

そして、やはり欠かせないのがシャンパーニュ。「お祝いごと=シャンパーニュ」というイメージがありますが、やはり泡ものは「はじける気分」にぴったりというか、華やかな雰囲気を添え、気分が盛り上がりますよね。

うちのお店にも、クリスマスと年越しのパーティーに向け、シャンパーニュがたくさん入荷しました。
小規模生産者のコント・ユーグ・ド・ラ・ブルドネのシャンパーニュも、通常はお店においていない上級キュヴェやマグナム(1,5リットルの大瓶)が入荷。生産者さん自ら配達にこられ、特別キュヴェのブラン・ド・ノワールを飲ませてくれました!


ブラン・ド・ノワールとは、赤品種のブドウ(ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ)からつくられたシャンパーニュのこと。対してブラン・ド・ブランとは、白品種(シャルドネ)だけでつくられたものです。
そして、これはノン・ドゼ。大部分のシャンパーニュでは、最後にリキュールを加えて酸っぱさを調整しますが、ノン・ドゼとはそのリキュールを加えていないものです。なので、後口もさっぱりすっきりした仕上がり。

試飲を始めたところにたまたま店主の友達が何人か来店し、わいわいとミニ宴会状態となり、生産者さんがもう一本、グランド・レゼルヴも開けてくれました!

飲み比べてみると面白い。

「シャンパーニュ」と一口に言っても、ピンからキリまであり、多種多様。
私は特別にシャンパーニュが好きというわけではなく…というか、逆に、リキュールを加えたものは後味がべたつくことがあり、シャンパーニュはあまり好きではありません。(値段のことは言わずもがな…。)
でも、リキュールを加えたり加えなかったり、ヴィンテージの違うワインをブレンドしたり…と作り方が特殊なシャンパーニュ、なかなか奥が深いのかもしれません。

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