2012年6月18日月曜日

うちの店と店主

私の働いているワイン屋はとってもちっちゃいお店で、基本は店主が一人でやってます。でも一人っきりで全部こなすのはちょっと無理がありそうな気がします。今までも研修生やパートなどが来ていたようです。かくいう私も、ワイン学校に行っていた間、カリキュラムに入っていた実習のため、4週間ほどこのワイン屋に来ていました。ちょうど学校を終えてパリに戻って来たとき、前に手伝いに来ていた子が他の仕事が忙しくなったらしく辞めたところでした。「手伝いに来たい」と言ってみたら、渡りに船という感じで雇ってもらえてラッキーでした。

とはいえ、これだけ極小の店では、店主と一対一になるので気が合わなければ辛いかもしれません。
うちの店主はわりと静かな感じの人で、それでいてフレンドリーで、近所に住む常連さんも多く、そういうお客さんとはビズもする仲。ワインのアドバイスも的確で、それが魅力でリピーターのお客さんも多いのでしょう。テイスティング力もプロとしてすごいなーといつも思うのです。
ゆるゆるな磁場を感じるこのお店、店主が作り上げたのか?それともワインの力なのか?なんとなく独特の空気があって、くつろぐというか、「気」が落ち着く場所でもあります。
このゆるゆる具合はたしかに店主の性格に起因しているところがあると思います。そしてその性格がマイナスに出てしまうことも。つまり、悪く言えば「いい加減」。例えば、お店の中で目に見えるところは一応きれいに整える努力をしているのですが、レジ裏の机の上は請求書や領収書やその他プライベートのもの(買い物メモとか)や関係ないものや何だかわからないものが入りまじっていたり、サンプルなのか売り場に戻してよいのかわからない瓶が雑多に床に置かれていたり…。まあ、ほとんど一人でやっていたんだから、自分自身、何がどこにあるかわかっていれば良いということで問題なかったのでしょう。って、彼自身、何がどこにあるのか覚えていないという説もありますが…。というのは、探し物が見つからなくて突発的に怒り狂うこともしばしばあるので…。
そういう私も几帳面ではないし、他人の机がとっちらかってるのとか全然平気。それに散らかった状態でほかの人が下手に手を加えると余計わからなくなってイライラすると思うので、なるべく手をつけないようにしています(…って、別に片付けを手伝わない言い訳ではありませんよー。)
開店時間も予告なく変更になったりします。っていうか、もともとの営業時間が変則的でなんか複雑。そういえば、この前、隣の建物に住んでいるマダムが買い物にきたとき、「おたくはいつも閉まってるわよね」と言われてしまったっけ…。いやいや、ちゃんと開いてますよ!
でも、個人商店だし、色々と家族の事情などもあるでしょうから、そういうことも仕方ないと思います。そんなの普通でしょう、だってここはフランスだし!…って私は思っているのですが…ダメ?

そんなお店ですが、集まってくるお客さんはみんな、ここが好きみたいです。私も、お店の雰囲気や店主の人柄や気の良い常連さんたちのことが好きで、楽しくやってます。そして幸いにも今のところ、私は店主の評価ランクの許容範囲内みたいなので、まだしばらくは働かせてもらえそうです。
お店と店主の評判を落とさないようにがんばらなきゃなーと思ってます。

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